保育士として働いていると、毎日のようにさまざまな悩みが出てきます。
「子どもへの声かけ、これでよかったのかな?」
「クラスがなかなかまとまらない……」
「何度言っても子どもが話を聞いてくれない」
「保護者との関係が難しい」
「先輩や同僚に相談しにくい」
そんなふうに悩んだ経験がある保育士さんも多いのではないでしょうか。
保育は正解が一つではないからこそ、悩むことも多い仕事です。
今回は、保育士によくある悩みを10個取り上げながら、悩んだときに考えたいことや、少し気持ちを楽にする考え方を紹介します。
保育士によくある悩み10選
① 子どもが言うことを聞いてくれない
「片付けようね」
「お話を聞こうね」
「順番を守ろうね」
何度声をかけても、なかなか行動につながらないことがあります。
そんなとき、
「私の伝え方が悪いのかな?」
と悩んでしまうこともありますよね。
しかし、子どもが言うことを聞かない=保育士の保育が悪い、というわけではありません。
子どもは年齢や発達によって、気持ちを切り替える力や見通しを持つ力が違います。
「早くして!」と急かすだけではなく、
「あと1回遊んだら片付けようね」
「この箱に入れたらおしまいにしよう」
など、子どもが見通しを持てる声かけを意識してみましょう。
② クラスがまとまらない
クラス全体に話をしているのに、子どもたちがざわざわしてしまう。
活動を始めたいのに、なかなか集まらない。
そんなときも、保育士は「自分の力不足なのかな」と感じやすいものです。
でも、クラスがまとまらないときには、子どもだけを見るのではなく、
- 活動時間が長すぎないか
- 待つ時間が多くなっていないか
- 説明が長くなっていないか
- 子どもにとって分かりやすい環境になっているか
を見直してみることも大切です。
「子どもをどう動かすか」だけではなく、「子どもが動きやすい環境になっているか」という視点を持つと、見えてくることがあります。
③ 子どもへの声かけに自信がない
保育士は、毎日たくさんの言葉を子どもにかけています。
だからこそ、
「さっきの言い方、きつかったかな?」
「もっと違う言葉をかければよかった」
と振り返ることもあります。
もちろん、振り返ることは大切です。
でも、すべての声かけを完璧にする必要はありません。
大切なのは、失敗しないことではなく、
「次はどうしよう?」と考えられること。
今日の声かけを振り返って、明日の保育に一つだけ生かしてみる。
それだけでも十分な成長です。
④ 子ども同士のトラブルが多い
「貸して」
「いや!」
「僕が先!」
「○○ちゃんが取った!」
子ども同士のトラブルは、保育の中で頻繁に起こります。
トラブルが起きるたびに仲裁していると、
「またケンカ……」
と疲れてしまうこともありますよね。
しかし、子ども同士のトラブルは、社会性やコミュニケーションを学ぶ大切な機会でもあります。
もちろん安全を守ることは最優先ですが、すぐに答えを出してあげるのではなく、
「どうしたかったの?」
「○○ちゃんはどう思った?」
「どうしたら一緒に遊べそう?」
と、それぞれの気持ちを整理する時間を作ることも大切です。
⑤ 保護者との関係が難しい
保育士の悩みとして、保護者対応は特に大きなものの一つです。
「どう伝えれば誤解されないかな?」
「何か言われたらどうしよう」
「子どもの様子を伝えるのが難しい」
と感じることもあります。
保護者に伝えるときには、問題点だけを伝えるのではなく、
「子どもの姿→保育士の援助→今後の見通し」
という流れを意識すると伝わりやすくなります。
例えば、
「今日は○○ちゃんが、お友達とおもちゃを取り合う場面がありました」
だけではなく、
「その後、保育士が間に入り、お互いの気持ちを聞きました。最後には『一緒に使おう』と遊ぶことができました」
と、子どもの成長やその後の姿まで伝えると、保護者も安心しやすくなります。
⑥ 先輩保育士との関係に悩む
「何を聞いても怒られそう」
「自分の保育を否定されるのが怖い」
「相談したいけど忙しそう」
職場の人間関係に悩む保育士さんも少なくありません。
すべてを一人で抱え込む必要はありません。
まずは、
「○○について、先生ならどうしますか?」
と具体的に聞いてみるのも一つの方法です。
「分からないです」とだけ伝えるより、
「私はこう考えているのですが、先生ならどうしますか?」
と自分の考えを添えることで、相談もしやすくなります。
⑦ 書類や月案が終わらない
保育士には、子どもと関わる以外にもたくさんの仕事があります。
月案、週案、個人記録、連絡帳、行事の準備……。
「子どもともっとゆっくり関わりたいのに、書類に追われている」
と感じることもありますよね。
書類を書くときは、毎回ゼロから考えようとせず、
- 子どもの最近の姿
- 今できるようになったこと
- 気になっていること
- 次に経験してほしいこと
- 保育士の援助
というように、考える項目を決めておくと負担を減らせます。
⑧ 忙しくて子ども一人ひとりと向き合えない
保育士は常に時間との戦いです。
「もっと一人ひとりの話を聞いてあげたい」
と思っていても、次の活動が待っていることがあります。
そんなときは、長い時間を確保することだけが「寄り添う」ことではありません。
子どもが話しかけてきたときに、
「うん、聞いてるよ」
と目を見て返す。
朝の数分間に「昨日どうだった?」と声をかける。
着替えの時間に少し会話をする。
短い時間でも、「先生は自分を見てくれている」と子どもが感じられる関わりを積み重ねることが大切です。
⑨ 自分の保育に自信が持てない
SNSなどで素敵な保育実践を見て、
「こんな保育ができるなんてすごい」
「自分は全然できていない」
と思ってしまうことはありませんか?
でも、SNSに投稿されているのは、その人の保育の一部分です。
他の保育士と比べて落ち込むより、
「昨日の自分より、今日は一つできた」
という視点を持ってみましょう。
子どもが笑ってくれた。
昨日できなかったことができた。
「先生大好き」と言ってくれた。
そんな小さな出来事も、保育士として大切な成果です。
⑩ 「この仕事を続けていいのかな」と悩む
保育士は、やりがいのある仕事である一方、体力的にも精神的にも大変な仕事です。
「もう辞めたい」
「自分には向いていないのかもしれない」
と思う日があっても、不思議ではありません。
そんなときに、
「辞めたいと思う=保育士失格」
と考えなくても大丈夫です。
疲れているときには、まず休む。
誰かに話す。
働き方を見直す。
職場を変えることを考える。
いろいろな選択肢があります。
「保育士を続けるか辞めるか」の二択だけではありません。
保育で悩むことは、悪いことではない
保育に悩むということは、
「もっと子どものために良くしたい」
と考えているからこそ生まれる悩みでもあります。
何も考えずに保育をしていたら、
「この声かけでよかったかな?」
「もっとできることはなかったかな?」
とは、なかなか考えません。
悩んだときは、自分を責めるのではなく、
「私は今、より良い保育を探しているんだ」
と考えてみてください。
一人で抱え込まないことも大切
保育の悩みは、一人で解決しようとするとどんどん苦しくなることがあります。
園長先生、主任、先輩、同僚など、話しやすい人に相談してみましょう。
相談するときは、
「どうしたらいいですか?」
だけではなく、
「私は○○だと思っているのですが、どう思いますか?」
と、自分の考えを伝えてみるのもおすすめです。
違う視点をもらうことで、「そんな考え方もあるんだ」と気づけることがあります。
まとめ|悩みながら保育することも成長の一歩
保育士の仕事には、正解が一つしかない問題はほとんどありません。
子どもの性格も違えば、発達も違います。
同じ声かけをしても、昨日はうまくいったのに今日はうまくいかないこともあります。
だからこそ、
「完璧な保育士にならなければ」
と思わなくても大丈夫です。
悩んで、考えて、試して、また振り返る。
その繰り返しが、保育士としての経験につながっていきます。
今日の保育で悩んだことが、明日の保育を少し良くするきっかけになるかもしれません。
「私の保育、これでいいのかな?」
そう思ったときこそ、自分を責めるのではなく、今日できたことにも目を向けてみてくださいね。


コメント